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【司法書士解説】ゆうちょ銀行の定期預金相続はなぜ難しい?旧郵便貯金の没収リスクとスムーズな払い戻し方法

「亡くなった親の通帳の中に、ゆうちょ銀行のものがあった」「古い郵便貯金の証書が出てきたが、どう手続きすればいいのか分からない」。ゆうちょ・郵便局の相続は、他の銀行と比べて「手続きが分かりにくい」「時間がかかる」という声が多く聞かれます。

特に、民営化前に預けた古い定額貯金や定期貯金は、放置すると払い戻しを受ける権利そのものが消えてしまうおそれがあります。この記事では、ゆうちょ銀行(郵便局)の相続手続きが難しいといわれる理由と、権利消滅のリスク、スムーズに払い戻しを受けるポイントを、司法書士が解説します。

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1. ゆうちょ銀行(郵便局)の相続手続きの基本的な流れ

ゆうちょ銀行の相続手続きは、一般に次の流れで進みます。

  1. 相続確認表を提出する:お近くのゆうちょ銀行、または郵便局の貯金窓口に、相続人の状況などを記入した「相続確認表」を提出します
  2. 「必要書類のご案内」が届く:相続確認表の内容をもとに、後日、必要な書類の案内が郵送されます
  3. 必要書類を準備する:戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書などを集め、案内された書類に記入・押印します
  4. 窓口に書類を提出する:ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口に、必要書類を提出します
  5. 払い戻し・名義変更:審査の後、解約・払い戻しなどが行われます

窓口へ行く回数が複数回になる点が特徴です。受け付けは平日の日中が中心のため、お仕事をされている方には、大きな負担になることがあります。

※必要書類や取り扱いは、貯金の内容や相続人の状況によって異なります。最新の内容は、ゆうちょ銀行にご確認ください。

2. ゆうちょ・郵便局の相続が「難しい」といわれる理由

① 窓口とのやり取りが何度も必要になる

初回に相続確認表を出して終わりではなく、案内が届いてから、改めて必要書類をそろえて窓口へ行きます。他の金融機関の手続きと並行すると、全体の見通しが立てにくくなります。

② 貯金の種類が多く、全体像をつかみにくい

ゆうちょ銀行には、通常貯金のほかに、定額貯金・定期貯金・積立貯金など、複数の種類があります。さらに、古い通帳や証書が、複数見つかることも少なくありません。何がどれだけあるのか、整理するだけで時間がかかります。

③ 民営化前の「旧郵便貯金」には、特別なルールがある

2007年9月30日以前に預けた定額・定期・積立などの貯金には、民営化前の法律(旧郵便貯金法)が適用されます。この点が、次に説明する「権利消滅」の問題につながります。

④ 相続人全員の書類が必要になることが多い

遺産分割協議書や、相続人全員の印鑑証明書、実印での押印など、相続人が多いほど、書類集めの負担が大きくなります。連絡の取れない相続人がいる場合は、さらに時間がかかります。

3. 旧郵便貯金の「没収」リスク=権利消滅とは

「没収される」と表現されることもありますが、正しくは「権利消滅」です。一定の期間、払い戻しの請求をしないと、貯金を払い戻してもらう権利そのものがなくなる制度です。

権利消滅の対象になる貯金

貯金の種類・預入時期 権利消滅の対象
2007年9月30日以前に預けた、定額貯金・定期貯金・積立貯金など 対象
2007年9月30日以前に預けた、通常貯金・通常貯蓄貯金 対象外(民営化の際にゆうちょ銀行に引き継がれています)
2007年10月1日以後に預けた貯金 対象外(ただし、長期間取引がないと「休眠貯金」として扱われます)

権利が消滅するまでの流れ

対象となる貯金は、満期の後、払い戻しなどの手続きがないまま20年が経つと、「権利消滅のご案内(催告書)」が送られます。その送付から2か月がたっても払い戻しの請求がない場合に、権利が消滅します。通算すると、満期後20年2か月です。

たとえば、定額貯金は預入から10年で満期になります。つまり、預入から約30年以上たった定額貯金は、特に注意が必要です。

相続の場面で、特に危険な理由

名義人がすでに亡くなっている場合、催告書が届いても、ご家族が気づかないことがあります。また、住所や氏名が変わっていると、そもそも案内が届かないこともあります。「あとでゆっくり調べよう」と思っているうちに、期限が過ぎてしまうおそれがあります。

権利が消滅した後は?

権利が消滅した後は、原則として払い戻しを受けられません。やむを得ない事情がある場合に、個別に判断される余地があるとされていますが、必ず認められるわけではありません。手遅れになる前に、早めに窓口へ相談することが大切です。

なお、民営化前の定額・定期・積立などの貯金は、現在は独立行政法人(郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構)が管理し、ゆうちょ銀行や郵便局が窓口業務を行っています。

4. 貯金があるか分からないとき・通帳が見つからないとき

「古い郵便貯金があったかもしれないが、通帳が見つからない」というご相談も、よくあります。

  • 貯金の有無が分からない場合:ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で、調査を依頼できます
  • 通帳や証書が見つからない場合:貯金があることが確認できれば、通帳や証書がなくても払い戻しの手続きができる場合があります

相続人が調べる場合は、被相続人の死亡が分かる戸籍と、相続人であることが分かる戸籍、本人確認書類などが必要になります。調査の結果が出るまでには、一定の期間がかかります。

5. スムーズに払い戻しを受けるための5つのポイント

① 早めに「相続確認表」を提出する

まずは窓口で相続確認表を提出しないと、手続きが始まりません。書類の案内が届くまで日数がかかるため、早めの着手が大切です。

② 古い貯金は、預入日と満期日を確認する

通帳や証書に記載された預入日から、満期日を確認します。民営化前の定額・定期・積立などが見つかった場合は、権利消滅までの期間を、最優先で確認してください。

③ 戸籍は、まとめて準備する

被相続人の出生から死亡までの戸籍は、相続手続き全体で必要になります。法務局で「法定相続情報一覧図」を作っておくと、他の金融機関の手続きにも使えて便利です。戸籍の集め方は、戸籍収集のページもご覧ください。

④ 相続人全員で、分け方を決めておく

遺言がない場合は、遺産分割協議で、誰がどの貯金を受け取るかを決めます。話し合いがまとまらないと、窓口に書類を出せません。

⑤ 時間がない方は、専門家に任せる

平日に窓口へ行けない、書類が多くて混乱している、期限が迫っている、という場合は、司法書士への依頼をご検討ください。

6. 司法書士に依頼するメリット

  • 戸籍の収集や、協議書の作成を任せられる:被相続人の戸籍の収集や、遺産分割協議書の作成まで、まとめて依頼できます
  • 複数の金融機関の手続きを、一括で進められる:ゆうちょ銀行だけでなく、銀行・証券会社などの手続きも、あわせて任せられます
  • 古い貯金の見落としを防げる:貯金の種類や期限を整理しながら進めるため、権利消滅のような事態を避けやすくなります
  • 相続全体を見通した提案が受けられる:不動産の相続登記や、相続税の申告が必要な場合も、あわせて相談できます

かなでの相続では、預貯金の名義変更(解約・払い戻し)に関するご相談も承っています。詳しくは、預貯金の名義変更や、相続手続きをまとめて任せられる相続手続き丸ごとサポートのページをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 通帳が見つからなくても、相続手続きはできますか?

貯金があることが確認できれば、通帳や証書がなくても、手続きができる場合があります。まずは、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で、調査を依頼してください。

Q. 30年以上前に預けた定額貯金が見つかりました。まだ払い戻せますか?

満期後20年2か月が経過する前であれば、払い戻しを受けられる可能性があります。すでに催告書が届いている場合は、2か月の期限があるため、できるだけ早く窓口へ相談してください。

Q. 相続人の一人が、手続きに協力してくれません。

ゆうちょ銀行の手続きでは、相続人全員の書類が必要になることが多いため、一人でも協力が得られないと、手続きが止まります。第三者の専門家が間に入ることで、話が進みやすくなる場合があります。

Q. 相続放棄を考えています。先に貯金を引き出してもよいですか?

相続財産を使ったり、引き出したりすると、相続を承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります。放棄を検討している場合は、手続きの前に、必ず専門家へ相談してください。詳しくは、相続放棄のページをご覧ください。

Q. 相談だけでも大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です。「古い郵便貯金があるかもしれない」という段階でも、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

ゆうちょ・郵便局の相続は、かなでの相続へご相談ください

ゆうちょ銀行(郵便局)の相続手続きは、書類のやり取りが多く、旧郵便貯金には期限のリスクもあります。「何から手をつければいいか分からない」という段階で、ご相談いただくのがおすすめです。

かなでの相続は、地元・上尾で創業15年、相続のご相談を3,180件以上お受けしてきました。司法書士・行政書士・土地家屋調査士が、ご家族の状況に合わせて、預貯金の手続きから相続全般まで丁寧にサポートします。

  • 初回相談は無料です
  • JR上尾駅から徒歩13分、駐車場も完備しています
  • 平日にご予約いただければ、土日祝日や夜間のご相談にも対応します

お電話(0120-332-668/平日9:00〜18:00)、または無料相談のご案内のページからお問い合わせください。

この記事の執筆者
司法書士法人奏・奏行政書士事務所 代表司法書士 吉澤裕太
保有資格司法書士
専門分野相続・遺言・家族信託・不動産対策
経歴平成28年に司法書士登録し、おおわだ司法書士事務所開設。令和3年におおわだ司法書士事務所を法人化し、司法書士法人奏を開設。開業以来、地元、上尾市に地域密着で仕事に取り組んでいる。
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