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【解決事例】会ったことがない相続人が存在したケース

2025.07.09

1. ご相談内容

会ったことがない相続人が存在した場合の相続手続き解決事例を司法書士が解説

今回ご相談いただいたのは、50代の女性で、一人暮らしをされている方でした。

ご相談の内容は「父の相続登記をしたい」というものでした。

亡くなられたお父様が所有していた実家は、すでに15年ほど前に相続が発生していたにもかかわらず、相続登記がなされておらず、名義は亡くなったお父様のままでした。ご相談者様は、実家を将来的にはご自身の住まいとして使いたいと考えており、「母が元気なうちにきちんと手続きを済ませておきたい」との思いから、行動を起こされました。

なお、ご相談者様の弟もすでに亡くなっており、その配偶者は中国人でした。

相続ご相談のきっかけ

弟の相続手続きについては生前に弁護士に一任されていたそうですが、その弁護士に父の分の相続も相談したところ、予想以上に費用がかかるということで断念。

ご自身でインターネット検索をされ、「かなでの相続」のホームページに辿り着き、口コミを見て信頼できそうだと感じていただいたことが、今回のご依頼のきっかけでした。

相続における懸念事項

ご相談者様にとって大きな懸念事項だったのは、父親が再婚で、自分以外に前妻との間に生まれた異母兄弟が二人いるという事実でした。

しかも、その二人とは一度も会ったことがなく、存在だけは知っていたものの、連絡先すら分からない状態。

また、かつて交流のあった実兄にも電話をしてみたものの繋がらず、「この状態で本当に相続登記ができるのか」と非常に不安な様子でした。

さらにご相談者は、現在も週末には空き家になっている実家を訪れ、近隣の様子や建物の状態を確認したり、近くの介護施設に入所しているお母様の元を訪ねては、お母様の変わり果てた様子に心を痛めていました。

心身ともに疲弊している状態でのご相談で、私たちもそのお気持ちに寄り添いながら丁寧にお話を伺いました。

司法書士からのご提案&お手伝い

相続財産と相続人構成について

相続財産は、主に実家の土地建物と、わずかながら父親名義の預貯金でした。

相続人は、ご相談者様、すでに亡くなった弟の代襲相続人(中国人配偶者とその子)、そして前妻との間に生まれた異母兄弟2名という構成でした。

相続手続きの設計

まず、今回のご相談に対して私たちは、ご相談者様が接点のない異母兄弟とのやり取りを直接行うのは心理的な負担が大きいと判断し、当法人から丁寧な手紙をお送りすることをご提案しました。

文面では、相続の経緯や手続きの意義を丁寧に説明し、ご協力をお願いしました。

また、連絡が取れなかったご相談者様の兄にも、私たちの方から改めて連絡を取りました。

その結果、当事務所からの連絡に快く応じてくださり、最終的には上尾の事務所までお越しいただくことができました。

今回の手続きの目的は、今後の住まいや財産の管理を見据えて、実家の相続登記を完了させておくことにありました。

相続手続きを行うメリット

手続きに着手してから間もなく、前妻との子供2名にも連絡が取れ、事情を理解していただくことができました。

当初、ご相談者様が懸念していた「協力してもらえるのか」「会ったことのない相続人と手続きを進められるのか」という不安は、私たち専門家が間に入ることで解消されていきました

ご相談者様の兄からも必要な書類を迅速にご提供いただき、結果として、想定していたよりもずっとスムーズに書類を取り揃えることができました。

結果

ご相談者様は大変安堵され、「こんなに早く進むとは思わなかった」と感謝の言葉をいただきました。

また、手続きを進めていく中で、今後再びお兄様から印鑑証明書などが必要になる可能性があることをお伝えした上で、将来的な相続を見据えて遺言書の作成をご提案させていただきました。

これにより、ご相談者様は「今後また大変な思いをするかもしれない」という将来への不安を少し軽くすることができたようでした。

手続きの一環として、ご相談者様の兄がほんのわずかな持分を所有していたことが判明したため、こちらも併せて贈与登記を行い、名義を一本化することができました。

手続きの過程を通じて、家族間の信頼関係が少しずつ再構築されていったことも、今回の成果の一つです。

まとめ

今回の事例は、長年放置されていた相続手続きに取り組むという、心理的にも手続き的にも大きなハードルを越えるものでした。

ご相談者様が抱えていた「相続人同士の関係性が希薄で、連絡がとれるか不安」「手続きをどこに頼めばよいか分からない」といった課題に対し、専門家が中立的な立場で介入することで、全体が円滑に進みました。

また、身内同士だと感情的になりがちな場面でも、第三者が関わることで冷静に話し合いができるというメリットも感じていただけました。

今後の手続きについても道筋が見え、ご相談者様にとっては「ようやく未来に進める準備が整った」という安心感につながったようです。

相続登記は、放置してしまうと相続人が増え、より手間も費用も増える可能性があります。

今回のように「難しいかも」と思われるケースでも、解決の糸口は必ずあります。

迷っている方は、かなでの相続までぜひ一度ご相談ください。

私たちは、一人ひとりの状況に寄り添いながら、最善の方法を共に考えていきます。

この記事の執筆者
司法書士法人奏・奏行政書士事務所 代表司法書士 吉澤裕太
保有資格司法書士
専門分野相続・遺言・家族信託・不動産対策
経歴平成28年に司法書士登録し、おおわだ司法書士事務所開設。令和3年におおわだ司法書士事務所を法人化し、司法書士法人奏を開設。開業以来、地元、上尾市に地域密着で仕事に取り組んでいる。
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