遺産分割の調停と審判
遺産を分割する場合は、相続人全員による遺産分割協議によって、解決するのが原則となっています。
相続人の間で遺産分割協議がまとまらない場合や、協議に応じようとしない相続人がいる場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用して、解決を目指すことになります。
この調停というのは、家庭裁判所の調停委員が、相続人同士の意見や主張を聞きながら、調停委員は、亡くなった人への貢献度、職業や年齢などを総合的に判断して、相続人全員が納得できるよう、話し合いを進めます。
しかし、この話し合いがまとまらず、調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続が開始され、家事審判官(裁判官)が、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、審判をすることになります。
このとき、必要に応じて相続人や遺産の内容についての事実関係を調べたり、相続人の主張の正当性を確かめることも行なわれます。
下された家庭裁判所の審判には強制力があり、合意できない場合もこれに従わなければなりません。
この記事の執筆者
司法書士法人奏・奏行政書士事務所
代表司法書士
吉澤裕太
保有資格司法書士
専門分野相続・遺言・家族信託・不動産対策
経歴平成28年に司法書士登録し、おおわだ司法書士事務所開設。令和3年におおわだ司法書士事務所を法人化し、司法書士法人奏を開設。開業以来、地元、上尾市に地域密着で仕事に取り組んでいる。