自分の死後、財産を妻→息子の順に相続させたい
民事信託(家族信託)を活用したケースその3:自分の死後、財産を妻→息子の順に相続させたい
Aさんには妻Bさん、二人の息子(Cさん・Dさん)がいます。Aさんは自宅の他に収益不動産をいくつか所有しています。
仮にAさんがなくなった場合は、まずは妻Bさんに不動産を相続し、老後の生活を守りたいと考えています。そして将来的には、近くで世話をしてくれている長男のCさんに不動産を相続させたいと考えています。
このような2世代にわたる相続については遺言では実現することができません。Aさんの想いを実現するためには、どのような手段があるでしょうか?
民事信託(家族信託)を活用した解決例
民事信託を活用すれば、Aさん→妻Bさん→長男Cさんの順に収益不動産を相続させることができます。
具体的な方法としては、Aさんと長男Cさんとの間で民事信託契約を結んで、収益不動産を信託しておきます。
そして、その収益不動産から得られる利益について、当初はAさん → Aさんがなくなったら妻Bさん という順に受け取れるように契約を組んでおきます。
そして、最終的に、Bさんが亡くなった後は、信託契約が終了し、収益不動産の権利が長男Cさんに移るように契約を定めておきます。
このように、民事信託を活用することで遺言では実現しない2世代にわたる相続を実現しつつ、同時に、AさんやBさんの生活をしっかりと守っていくことができます。
ただし、税金についての注意点や、将来的なリスクも含めて考える必要がありますので、民事信託を行う際には、司法書士などの専門家に相談をすることをおすすめします。
この記事の執筆者
司法書士法人奏・奏行政書士事務所
代表司法書士
吉澤裕太
保有資格司法書士
専門分野相続・遺言・家族信託・不動産対策
経歴平成28年に司法書士登録し、おおわだ司法書士事務所開設。令和3年におおわだ司法書士事務所を法人化し、司法書士法人奏を開設。開業以来、地元、上尾市に地域密着で仕事に取り組んでいる。